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第10回目 かとちえの短歌教室 テーマは“挨拶”

かとちえ短歌.jpg
更新日11月12日



<ご挨拶>
こんにちは、加藤千恵です。
一気に涼しく(寒く?)なりましたが、みなさん体調など崩されていないでしょうか。
実はわたしは、この原稿を書いている今、
トルコ旅行を目前に控えていて、
なんだかちょっとそわそわした感じでいます。
(でももちろん、短歌はしっかりと読ませていただきましたよ!!)
ごはんがおいしいという話を聞いたので、それが楽しみです。
あと、日本人女性がモテるという話も聞きましたが、
バリ島旅行した際にも、行く前に同じようなことを聞いていたにも関わらず、
「は? モテ? それは食べ物でしょうか?」というくらい、
モテと無縁旅行だったので、
そっちはあまり参考にしないことにします。
てか今回は仮にも新婚旅行だし! モテ関係なくていいし!
それでは唐突に短歌の話にうつります。

<連作に挑戦する>
短歌教室への投稿とは少し違う話になってしまうのですが、
短歌づくり全般に関係する話として。
第4回、さっこさんへの評でも少しだけ触れたのですが、
「連作」というものがあります。
以前書いた説明をそのまま引用すると、
連作とは、≪1つのテーマやストーリーを背景として、複数の作品を並べたもの≫です。
連作ならではのおもしろさとしては、
1首ではあまり意味がわからないようなものを、
流れとして読ませることでわかりやすくしたり、
同じフレーズを、決まり文句のように繰り返し使ってみたり、
わざと正反対の内容の歌を並べてみたり、などなど。
もちろん奇をてらわずに、物語世界を構築する、といったことも、
連作だからできることです。
短歌の楽しみ方の幅が広がると思いますので、
ぜひ1度、連作に挑戦してみてください。
参考として、わたしが「連作の名手!!」と思っている、
宇都宮敦さんのページをご紹介します。
「Waiting for Tuesday」http://air.ap.teacup.com/utsuno/
宇都宮さんの連作は、物語性に富んでいて、
ぐっと引き込まれるものばかりですので、
ぜひぜひみなさんも読んでみてください。

<今月の作品>

 〜第10回テーマ「挨拶」〜
笑いが含まれた作品が多く、
おもしろく読ませていただきました。
挨拶、大事ですよね。
それでは、今回気になった作品を紹介します。
( )内が投稿者のお名前(ペンネーム)です。



さよならがちゃんと言えるか不安なの だから一人で練習してるの(たから)

 「の」のリフレインが効いていて、
 可愛らしい仕上がりになっていると思います。
 イメージもしやすいです。
 反面、奥行きや行間がない印象も受けてしまうのが難点でしょうか。




ごきげんよう母校で毎日言わされた割に品位のカケラもねえな(山田フサエ)
 
 最初のフレーズからは、思いもよらない着地点で、
 大変おもしろく読ませていただきました。
 ごきげんようのあとは、一字アキを入れたほうが、
 視覚的にも意味的にもいいような気がします。




自分でも可愛い顔になってると思いつ君の腕で言う「おはよ」(こんにゃく)
 
 計算高い女子が出てくる短歌って、意外と少ないような気がします。
 (少なくともこちらに投稿していただく作品には、ほとんどないです)
 なので目をひき、おもしろく読みました。
 「思いつ」は完全にリズム合わせのための言葉になっているので、
 推敲の余地がありそうですが。




教室の扉を開けて「おはよう!」って届けたかったのは君だけで(赤城 尚之)

 「て」の音がリズム良く響いていて、いい効果になっていると思います。
 ただ、内容自体はわりとありふれたものなので、
 何か一つ、表現や言い回しに特別な部分が欲しかったです。




爆乳の秘書が『おはよぅん』て言うんなら会社に行ってやってもええで(さかいたつろう)

 さすがシャンパン短歌でおなじみの(第7回参照)さかいさん!
 このまま突き進んで、サラリーマン川柳に対抗した、
 サラリーマン短歌というジャンルを築いていただきたいです。
 思わずモニターの前で笑ってしまった一首でした。
 小さいぅがポイントですね。



 
振るならばまだしも両手合わせつつ言うから逝くみたいな「さよなら」(天沢)

 情景や比喩に独自の視点があり、
 声に出したときのリズムにもおもしろさがありました。
 序盤の「ならばまだしも」の硬さに、
 少し違和感をおぼえてしまったのが残念です。




玄関のゼラニウムにもさよならを言って合鍵ポストに落とす(作山さち)

 歌としてのまとまりはありますが、インパクトに欠けるのが残念です。
 4句目、合鍵のあとに助詞がないことも気になってしまいます。
(第9回<助詞を省かない>参照)
 正確には、合鍵「を」ではないでしょうか。




シロップのように言葉は甘いからさよならさえ優しく響く(キタパラアサメ)

 最初の3句までが独特で、引き込まれる感じですね。
 それもあり、4句目の字足らずはちょっと惜しいです。
 もしかすると、あえての字足らずだったのかもしれませんが、
 ここは定型どおり、7音としたほうが、おさまりがいいと思います。



<今月のかとちえ賞>
今回のかとちえ賞は、以下の作品とさせていただきます。

爆乳の秘書が『おはよぅん』て言うんなら会社に行ってやってもええで

笑ってしまったときに、負け(?)を確信しました。
今後の作品も楽しみにしています。
さかいたつろうさん、おめでとうございます。


黒ハート今月のかとちえ短歌黒ハート
使われていない挨拶を、と思いましたが、
悩んだ末にできたのは、
結局メジャーな言葉(挨拶)を使ったものでした。

もうありとあらゆることをやりつくしてさよならくらいしか残ってない
(加藤千恵)



<次のテーマ>

新しい募集テーマは、「偶然」です。
難しいテーマかもしれないですが。
偶然を感じさせるあらゆるシチュエーションを描いたもの、
あるいは偶然という言葉をそのまま使ったもの、
などなど、お待ちしております。
以下は募集要項です。

12月10日締め切りで、一人2首以内、テーマ記載の上、
ペンネームがある場合はペンネームも添えて。
→送り先:tanka_57577@3anet.co.jp(第二出版部かとちえ短歌教室係まで。アドレスの「@」を半角に修正してお送りください)


どうぞよろしくお願いします!

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