
更新日10月10日
<ご挨拶>
こんにちは、加藤千恵です。
先日結婚式をやりました。
生涯はじめての結婚式です。
今のところ、生涯最後にするつもりでもあります。
キャンドルサービスで「ボヤじゃん!」というような出来事があったり、
新婦が両親への手紙読みながら泣いている隣で、
新郎がウケたりしているような披露宴でした。いいのか。
不自然な流れで、短歌の話です。
<助詞を省かない>
前回(第8回)で書いた、<不自然な語尾を捨てる>とも、
ちょっと重なってくる話なのですが。
5・7・5・7・7の定型におさめたり近づけたりするために、
助詞を省いたり変化させたりすることは、
できれば避けてもらいたいと思っています。
特に、助詞を省いているものについては、
わりとよく見かけるのですが、
いかにも「【短歌】を書いてみました!!」という感じで、
普通の文章として見たときに、
不自然さが残ってしまいます。
「あれ、これって短歌?」というくらい、
自然な文章になっているものを目指していただきたいです。
<今月の作品>
〜第9回テーマ「友」〜
それでは、今回気になった作品を紹介します。
( )内が投稿者のお名前(ペンネーム)です。
ちょっと意外でしたが、
男同士の熱い友情(努力! 勝利!)、という感じのものはなかったですね。
短歌にはしにくいのでしょうか。
ウェディングドレス姿のマリちゃんをこんな男に渡したくない(トヨタエリ)
個人的には、わたしの結婚式で、
「嬉しいけど寂しいー」と泣いてくれた女友だちのことが浮かんで、
グッとくる短歌でした。
難を言うと、出だしは例えば、「真っ白いドレス姿」などのほうが、
説明しすぎの感が抜けてよかったと思います。
後半で充分、結婚というシチュエーションは伝わると思うので。
もし君が男だったらキスしても抱いてもいいよ ねえ、泣かないで(ひかり)
同性である女友だち(落ち込んで泣いている)に対するいたわりの歌、
ということだとは思うのですが、
前半のフレーズからは、少々、上からの目線を感じてしまいます。
いたわりの歌であるならば、
もっと相手を持ち上げたシチュエーション・言い方にしたほうが、
より伝わりそうです。
妄想の中ですらまだ友達になれない私の夜は更けゆく (山田フサエ)
謙虚過ぎる妄想力に、思わず惹かれてしまいました。
最後の「更けゆく」は、多分、
あえて硬さを出すために選んだ言葉だとは思うのですが、
少々歌全体のトーンから浮いている印象があります。
トモダチがね、と言って彼のことを話すとき まぶたのあたりがそわりとするの(遠藤しなもん)
後半の表現は、
独特で、大変おもしろいのですが、
全体的なリズムの悪さが気になってしまいます。
声に出して読んでも、しっくりくるような形を目指していただきたいです。
友だちと旅行で妻は留守ですがその友だちが家に来ました(岡本雅哉)
1度読んだだけでは、ちょっとすんなり情景が浮かばなかったのが、
難点でしょうか。
うまく夫を騙したつもりでいた妻だけど、
実は夫は全てを知っていて、
さらには妻の友だちと……というようなシチュエーションですよね?
妄想力をかきたてられました。
親よりも泣いた顔とか知っている メルアド変えた理由なんかも(mama*)
視点はおもしろいと思うのですが、「泣いた顔」の部分が気になります。
赤ちゃんの頃も考えると、泣き顔を見た回数、
親にはかなわないんじゃないでしょうか。
もっと他に、「なるほどー、それは確かに、親よりも知っている」、
と思わせてくれるものがありそうです。
友達におさまり直す契約に往生際の悪いくちびる(ゴニオ)
言葉選びにセンスがありますし、
完成度も高い歌だと思います。
ただ、もう少し具体性が欲しかったです。
キスをしたい、とか、不満を言いかけている、ということだとは思うのですが、
読みきれない部分もちょっとありました。
あと5ミリ近づけばもう友達じゃなくなりそうな花火大会 (振戸りく)
具体的に直すべき箇所というのは見当たらず、
まとまりのある歌だと思うのですが、
テーマや使われている言葉が、
ありふれたものになってしまっている感が否めません。
ちょっとした独創性が加われば、素晴らしい作品になると思います。
<今月のかとちえ賞>
今回のかとちえ賞は、以下の作品とさせていただきます。
ウェディングドレス姿のマリちゃんをこんな男に渡したくない
トヨタエリさん、おめでとうございます!
書く前は、すぐにできそうだと思っていたのですが、
意外と難しいテーマでした……。
奪い合うみたいなキスだ 友だちに戻れないのは覚悟の上で
(加藤千恵)
<次のテーマ>
新しい募集テーマは、「宇宙」です。
何らかの形で、宇宙を感じさせるものであれば、
宇宙という言葉は使っていても使っていなくてもOKです。
以下は募集要項です。
11月12日締め切りで、一人2首以内、テーマ記載の上、
ペンネームがある場合はペンネームも添えて。
→送り先:tanka_57577@3anet.co.jp(第二出版部かとちえ短歌教室係まで。アドレスの「@」を半角に修正してお送りください)
どうぞよろしくお願いします!

親友の結婚式の日の夜につくった歌で、さっそく加藤さんに選んでいただいたことを、マリちゃんにも報告しました!
加藤さんも、結婚おめでとうございます。
うらやましいです!
ご結婚おめでとうございます。
ちょっとびっくりしましたが、ともかく末永くお幸せに☆
幸せいっぱいの短歌ももちろんですが、キュンと切ない加藤千恵さん節もこれからも変わらず楽しみにしています。
お二人のコメントは加藤千恵さんにお伝えしておきます。
今後ともよろしくお願いいたします★