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漢字でよむ おくのほそ道 第1回
はじめに

漢字でよむ 奥のほそ道
2007年4月25日


はじめに


 
日本語は、漢字を音読み訓読み自在に使いこなすことによって、その表情が豊かになり美しくなった。

その典型的な作品は、松尾芭蕉の「おくのほそ道」である。

そして、「おくのほそ道」は、旅の文学でもある。

旅とは出逢いでもある。

人の一生も、旅そのものであろう。何と、どのように出逢いながら、その日々を過ごすものであろうか。


作品はまた、芭蕉さんの歩行(かち)の記録でもある。

「歩」という漢字は、左右の足跡を重ねた形である。

aruku-1.jpg

そして、地に足をつけて歩くということは、単に宇宙空間を移動するということではない、その地の地霊と接する行為でもあるのである。

古代から、例えば、重要な儀礼の場所に到る場合、王者といえども車から降りて、徒歩でもってそこへ向かうものであったという。

「おくのほそ道」は、その地その地の、土地の神々との対話の記録でもあるのだ。


「ほそ道」への旅立ちは、旧暦3月27日、今の暦なら5月16日ということになっている。

さあ、私たちも、松尾芭蕉の「おくのほそ道」に誘われながら、初夏の旅へとでかけようではないか。
 

oku1.jpg

【著者プロフィール】 伊東信夫(いとう・しのぶ)

1926年、山形県生まれ。白川漢字学の系譜に連なる漢字研究家。
1947年、山形の冬季分校の教師となって以来、長く教職に携わる。
現在は、漢字学の研究と共に、子どもや教師たちに漢字のおもしろさを伝えるため、各地で講演するなど、活躍中。主な共著書に「漢字カルタ」「漢字はみんな、カルタで学べる」「漢字がたのしくなる本」シリーズ(いずれも太郎次郎社)、「成り立ちで知る 漢字のおもしろ世界」シリーズ(スリーエーネットワーク)がある。
現在、立命館大学 白川静記念東洋文字文化研究所客員研究員。




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