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『まぎらわしい! TOEIC®テストに出る単語・熟語・表現 完全攻略』
赤井田拓弥 著

まぎらわしい! TOEIC®テストに出る単語・熟語・表現 完全攻略

まぎらわしい! TOEICテストに出る単語・熟語・表現 完全攻略_9784-88319-465-0

7月刊行予定

著者:赤井田拓弥

価格:1,680円(税込)

ISBN978-4-88319-465-0

 

・・・・・内容・・・・・

赤井田拓弥シリーズ第2弾!

英語力があっても、TOEICテストのスコアが伸びない理由に
TOEIC独特の「トリック」が問題自体にひそんでいることが
あげられます。

その代表的なものが、「ひっかけ問題」「言い換え表現」です。
今までその対策は、各学習者が問題を解く中で
積み上げていくしかありませんでした。

しかし、本書では、「発音のまぎらわしい語」
「意味や用法のまぎらわしい単語や熟語」
「意味を誤解しやすい表現」に焦点を絞り、
TOEIC出題形式に沿って学習がすすめられます。

学習者待望の本といえるでしょう。

 

・・・・・著者紹介・・・・・

鹿児島県屋久島生まれ。北九州大学(現・北九州市立大学)外国語学部卒業。

米国留学後、編集プロダクション勤務を経て(株)ナラボー・プレス設立。

TOEICの考案・開発にかかわった三枝幸夫教授の指導の下、

数々のTOEICおよび英語教育関連書籍・雑誌・教材を制作する。

 

『TOEIC®テスト リスニング完全攻略』『TOEIC®テスト 新・必修単語』

(以上 ジャパンタイムズ)、『CDを聞くだけで英単語が覚えられる本』

『CDを聞くだけで英熟語が覚えられる本』(以上 中経出版)、

『新 TOEIC®テスト 米・英・豪・加 比較リスニング』(アルク)など著書多数。

第3回 かとちえの短歌ストーリー テーマは“水族館”

かとちえの短歌ストーリーバ.jpg

 

更新日4月10日 

<ご挨拶>
こんにちは、加藤千恵です。
北海道(旭川)で過ごしていた頃、四季という感覚はあんまりなくて、
季節は夏と冬だけで構成されている感じでした。
なので東京に来て、デパートなどで春物が並んでいるのを見て、
自分の服に、春物という概念がなかったことに、ちょっとショックを受けました。
その反動のように最近は、春物を見るとついつい惹かれたり買ったりしてしまいます。
ちなみに今年狙いをつけているのは、サテンジャケットと深緑のトレンチコートです。
繰り返しますが、サテンジャケットと深緑のトレンチコートです。
と意味のないアピールを終えたところで、今月の作品にうつります。

 

<今月の作品> 〜第3回テーマ「水族館」
  ガラス越し
 水族館に行こうよ、と言い出したのは彼のほうだった。
「水族館? どこの?」
「前に行ったあそこ。で、帰りにタルトのお店寄ろう」
「あー……、うん、いいけど」
「けどって何だよ。大体さあ」
 わたしと目が合って、彼の言葉が止まる。目をそらしてから、
行くなら準備しちゃおうよ、と言う。わたしも、彼が言葉を
濁したのと多分同じ気持ちで、大体なんなのとか、自分だって
微妙な返事すること多いじゃんとか、浮かんだ言葉は口に出さ
なかった。うん、とだけ返して、支度にとりかかる。歯を磨く
ために立ち上がった。

 休日の水族館は、家族連れでにぎわっていた。家族5、カップル3、
女同士1、不明1、男同士0くらいの割合だろうか。どう思うかを、
隣でパンフレットを眺めている彼に聞こうとして、やめた。代わりに
別の言葉をかける。
「なつかしいね」
「久しぶりだよなー。こないだは2年くらい前だっけ」
「そんなに経つんだね」
 こちらにはまるで興味のない素振りで進むマンボウや、裏側が
顔みたいに見えるエイ、見ていると目がちかちかしてきそうな
熱帯の魚。わたしが立ち止まるのにも関係なく、さっさと歩いて
いってしまう彼の背中を気にしながらも、示された順路どおりに
進んでいく。見た水槽の数に比例するように、前に来たときのこ
とをはっきりと思い出していく。
 付き合って間もない頃だった。季節は夏で、彼は淡いイエロー
のTシャツを着ていた。おそるおそるという感じで、手をつながれた。
手のひらが少し汗ばんでいることが、ものすごく恥ずかしかった。
魚ひとつひとつに対して、こいつはすぐに食われそうだなとか、
おいしそうに見えないとか、意味のない勝手なコメントを繰り返し
ては、くすくすと笑った。
「ねえ」
「え、何?」
 すっかり回想にひたっていたので、突然話しかけられて驚いて
しまう。同時に、この人はわたしの存在を忘れてたわけじゃないのか、
とも思った。
「アナウンス聞いてた? ペンギンのごはんタイムやるって。見に行く?」
「うん、せっかくだし行こうか」
「ん」
 聞いておきながら、大して興味を惹かれていない様子で彼が答える。
どうしてなの、と言いたいような気持ちになった。水族館だって、
もともと、そっちが言い出したことなのに。そんなに楽しくないんだったら、
家で雑誌でも読んでればよかったじゃん。
 何も言わないまま、わたしたちはペンギンエリアへと進む。途中、
つながれることのない右手を、ジーンズのポケットにしまいこんだ。

 ガラス越しに、ペンギンの泳ぐ様子が見えるようになっていた。
 係のお姉さんがバケツから取り出して投げた魚に、一斉にむらがる
ペンギンの様子を、見ている人たちが笑い合う。すごいねーすごいねー、
という子どもの声が聞こえる。デジタルカメラや携帯電話を向けて、
撮影している人も大勢いる。そんな中でわたしたちは、ただ黙って、
ペンギンを見ている。相変わらず興味のなさそうな様子で、よく食うなあ、
と彼がつぶやいた。
「ねえ、もうだめだと思う」
 ぽつりとつぶやくと、彼が、なに、とちょっと怒るような口調で訊ねて
きた。本当に聞こえなかったみたいだ。周囲は騒がしいし、無理もない。
「全然楽しくないじゃん。もう、だめだよ」
 ガラス越しのペンギンを眺めながら、わたしは言った。彼の言葉より
も先に、それでは本日のごはんタイムは、こちらで終了とさせていただ
きまーす、という明るい声が耳に入る。

ペンギンは飛べない鳥だというだけで笑いあったねふたりでいれば
                                                         (敷島ヤマト)

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