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出発進行!

昨日10月14日は鉄道記念日でした。
また、それにあわせて鉄道博物館が大宮にオープンしました。
徹夜組も出たそうで、かなりの盛況だったようです。
鉄っちゃんだけに徹夜も苦にならないのでしょうか。

私は午前中所用があり、宇都宮方面行きの湘南新宿ラインに新宿から乗りました。
なんかいつもより人が多く乗ってないかと思ってはいました。
列車が大宮に着くとかなりすいてやっと座れるようになったのですが、大宮で降りた人の何%かは鉄道博物館に向かったのではないでしょうかね。

昨日は行きませんでしたけど、そのうち博物館へ行ってみたいと思っています。
こういうのは行く前がわくわくして一番楽しいような気がしますね。

漢字でよむ おくのほそ道 第10回
宮城野

漢字でよむ 奥のほそ道
2007年7月4日



宮城野


■ 原文 ■


名取川を渡て仙台に入。あやめふく日也。旅宿をもとめて、四、五日逗留す。爰に画工加右衛門と云ものあり。聊心ある者と聞て、知る人になる。この者、年比さだかならぬ名どころを考置侍ればとて、一日案内す。宮城野の萩茂りあひて、秋の気色思ひやらるゝ。玉田・よこ野、つゝじが岡はあせび咲ころ也。日影ももらぬ松の林に入て、爰を木の下と云とぞ。昔もかく露ふかければこそ、「みさぶらひみかさ」とはよみたれ。薬師堂・天神の御社など拝て、其日はくれぬ。猶、松島・塩がまの所々画に書て送る。且、紺の染緒つけたる草鞋二足餞す。さればこそ、風流のしれもの、爰に至りて其実を顕す。
  あやめ草足に結ん草鞋の緒


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原文出典:『芭蕉 おくのほそ道』岩波書店




■ 訳 ■


名取川を渡って仙台に入る。5月4日、屋根に菖蒲(しょうぶ)を葺く日であった。・・・仙台では旅館に宿泊、4、5日逗留することにした。

この地に、画工の加右衛門というものあり、ひとかどの教養人であるときき、知り合いの仲となる。この者、「日ごろから、歌に詠まれても、在所の知れない名所を調べおきましたので−。」と一日、それらを案内してくれた。

宮城野は萩が多く、秋の花咲く景色はいかほどかと想像される。…玉田・よこ野を経て、つつじが岡は、馬酔木(アセビ)の花盛り。

昼なお暗い松林に入ったが、そこがまた「木の下」という名所。昔もこのように露深い所であったのだろう。

  みさぶらひみかさと申せみやぎのゝ木の下露は雨にまされり

という歌の残っているところである。…。「お侍さま、笠を用意して行きなされよ…」というのであるという。

それから、薬師堂や天神社を参拝して一日がくれた。

別れるにあたって加右衛門より、自作の松島・塩竈などの絵地図が贈られた。

更に、藍染の布を緒に巻いた草鞋(わらじ)2足が餞(はなむけ)された。
藍は、毒蛇の蝮(まむし)の嫌うもの。その草鞋は、旅の安全を祈るものである。……この、心づかい−。

加右衛門という人物の、なみなみならぬ人品(じんぴん)、その本性が表現されているではないか。

  あやめ草足に結ん草鞋の緒

われわれも、この餞にこめられた誠意を胸に、また長途の旅をつづけるとしよう。邪悪を祓い、かつ薬草であるあやめ草を足にむすぶ思いで−。




■ 注釈 ■


旅人に贈る心

古来、東洋においては、旅に行く人に対する思いを歌った歌が多い。

中国においても、日本においても−。

その中でも、特に有名なのは、万葉集の東歌(あずまうた)の、次の一首であろう。

信濃路は今の墾道刈株に足踏ましむな履著けわが夫 (万葉集 巻14・3399)
(しなぬじは いまのはりみち かりばねに あしふましむな くつはけわがせ)

信濃路(中仙道)は、まだ切り開いたばかりの道。そこは柴や萱の切り株も多い。足を踏みとおしたら大変。必ず、藁靴をお履きなされ、という新妻の夫に対する思いやりである。



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【著者プロフィール】 伊東信夫(いとう・しのぶ)

1926年、山形県生まれ。白川漢字学の系譜に連なる漢字研究家。
1947年、山形の冬季分校の教師となって以来、長く教職に携わる。
現在は、漢字学の研究と共に、子どもや教師たちに漢字のおもしろさを伝えるため、各地で講演するなど、活躍中。主な共著書に「漢字カルタ」「漢字はみんな、カルタで学べる」「漢字がたのしくなる本」シリーズ(いずれも太郎次郎社)、「成り立ちで知る 漢字のおもしろ世界」シリーズ(スリーエーネットワーク)がある。
現在、立命館大学 白川静記念東洋文字文化研究所客員研究員。