今日11日の日本時間で夜の8時にノーベル文学賞が発表になるそうです。
昨年は村上春樹氏が有力候補と騒がれ、事前にかなり盛り上がった記憶がありますが、今年は昨年ほど盛り上がってないような気がします。
候補者名は実際には発表されていないはずですが、何人か村上氏のほかにも名前が挙がっています。
おやっと思ったのはフィリップ・ロス氏の名前が挙がっていたこと。
フィリップ・ロスといえば「素晴らしいアメリカ野球」という小説を読んだことがあったような、なかったような。
読んだとしても20年以上も前のことで曖昧なのですが、とにかく作家名と作品名には記憶があります。
もし村上氏が受賞すれば、書店には氏の著作が山のように積まれることでしょう。
それはそれで見てみたい気がします。
もしフィリップ・ロス氏が受賞したら、「素晴らしいアメリカ野球」を中心にメジャーリーグの本のフェアをやったら面白いかもと思いました。
もっとも、「素晴らしいアメリカ野球」は現在品切れのようなので、フェア展開ということはまずないでしょうね。
さてだれが受賞するのか、興味本位で発表の時間を待ちたいと思っています。
2007-10-11
Topics
08.07.14 第15回「東京国際ブックフェア」に出展しました。
08.07.10 【Web連載】「かとちえ短歌ストーリー」第6回テーマ「プール」更新しました。
08.07.02 【English Page】を追加しました。
08.05.13 【あたらしい本】『狙え!150点アップ TOEIC®テスト 14日間の直前プロジェク ト』をアップしました。
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漢字でよむ おくのほそ道 第14回
尾花沢

2007年7月25日
尾花沢
■ 原文 ■
尾花沢にて清風と云者を尋ぬ。かれは富るものなれども志いやしからず。都にも折々かよひて、さすがに旅の情をも知たれば、日比とゞめて、長途のいたはり、さまざまにもてなし侍る。
涼しさを我宿にしてねまる也
這出よかひやが下のひきの声
まゆはきを俤にして紅粉の花
蚕飼する人は古代のすがた哉 曾良
原文出典:『芭蕉 おくのほそ道』岩波書店
■ 訳 ■
尾花沢にて、鈴木清風という者を尋ねる。
彼は、富裕の身でありながら、人品高潔のものである。職業柄、度々上京することがあり、従って旅の風流にも理解あるものなので、しばらくとどまって、お世話になることになる。
…清風方(がた)も、長旅の労をねぎらいなぐさめ、いろいろともてなしてくれる。久しぶりに「わが家」に落ち着くおもいである。
涼しさを我宿にしてねまる(※後注)也
…かいや(蚕室)の下で、ククと鳴くひきがえる(蟇)よ、出てきて私とも語ろうではないか。
這出よかひやが下のひきの声
そして、清風の業(なりわい)としている紅花。そのはなぶさは、あたかも女性が身を装う道具である、眉掃(まゆはき)と、そっくりではないか。
まゆはきを俤にして紅粉の花
また、夏の養蚕のしごと、それは高温多湿の中でおこなわれることなので、男女とも、上半身裸のままである。
蚕飼(こがひ)する人は古代のすがた哉 曾良
■ 注釈 ■
芭蕉の寄り道…旅の途中の「わが家」
…かれは富るものなれど志いやしからず
「ほそ道」の旅の記述は、人との出逢いの記録でもあるわけだが、この「富るものなれど志いやしからず」という鈴木清風に対する人物評ほど凛としたものは他にない。
これは、私的な感情であるけれど、わたしは、このことばのあることを知って、作品「おくのほそ道」から、目が離せなくなった。
なんとすごい人物評なのであろう。
地図で見てもあきらかなように、平泉から象潟(きさがた)に向かう道程からは、尾花沢や山寺は、寄り道になっている。
なのに、山刀伐峠を越えて尾花沢へ向かう。それは、この鈴木清風の居住の地への寄り道なのである。
だから、旅の途中にあるべくもない「我宿(わがやど)」に「ねまる」のである。
「ねまる」とは、土地の方言であり、語源は「根回る」ではないかと思う。
樹木が大地に根を張る如く安座するのである。
人がその地の神のなかに安住する状態をいうのではないかと思う。
そして、句の題材となる「蚕飼い(こがい)」も「紅花(べにばな)」も、清風のなりわいを支えるものである。
【著者プロフィール】 伊東信夫(いとう・しのぶ)
1926年、山形県生まれ。白川漢字学の系譜に連なる漢字研究家。
1947年、山形の冬季分校の教師となって以来、長く教職に携わる。
現在は、漢字学の研究と共に、子どもや教師たちに漢字のおもしろさを伝えるため、各地で講演するなど、活躍中。主な共著書に「漢字カルタ」「漢字はみんな、カルタで学べる」「漢字がたのしくなる本」シリーズ(いずれも太郎次郎社)、「成り立ちで知る 漢字のおもしろ世界」シリーズ(スリーエーネットワーク)がある。
現在、立命館大学 白川静記念東洋文字文化研究所客員研究員。
身近なところから漢字の奥深さがわかります
成り立ちで知る漢字のおもしろ世界 人体編

著者:伊東信夫
定価:本体¥1,300+税
ISBN978-4-88319-435-3
◇内容◇
ようこそ、漢字のおもしろ世界へ!
本書は、立命館大学名誉教授、故白川静博士の著作である漢字辞典『字統』『字通』に準拠して漢字の意味を説明したものです。
漢字の字形の成り立ち・変遷(古代文字〜現代文字)を見ながら、その本来の意味とつながり・仕組みを、読んで、見て、理解しつつ、漢字そのものの知識を深めていくことができます。
老若男女に楽しんでもらえる一冊です。
「見」という漢字は、眼だけを大きく書いた人の形がもともとの字形でした。これは、本来見えない神を見るための、今に置き換えれば物事の本質を見抜くという意味がこめられています。「見る」ことは内面的なことまでをも知る行為なのです。
◇今後の予定◇
11月:道具・家・まち 編
12月:武器・ことば・祭祀 編(完結)
【著者プロフィール】伊東信夫(いとう・しのぶ)
1926年、山形県生まれ。故白川静博士に師事。白川漢字学の系譜に連なる漢字研究家。
1947年、山形の冬季分校の教師となって以来、長く教職に携わる。
漢字学の研究と共に、子どもや教師たちに漢字のおもしろさを伝えるため、各地で講演するなど、活躍中。現在、立命館大学 白川静記念東洋文字文化研究所客員研究員。
主な共著書に「漢字カルタ」「漢字はみんな、カルタで学べる」漢字がたのしくなる本
